こんにちは。Kです。
先日のキャンプでは「星空撮影」で、久々に「写真を撮る」事に夢中になりました(仕事はいつも夢中でやってます)
と言うことで、その勢いに乗せて一気に書き上げたカメラシリーズの記事をお送りします。
(といっても星空の撮り方ではないですよ。。)
忘れた頃にやってくる、待っている人以外だれも読まないプジョーでキャンプの名物シリーズ。
「
目くるめくデジカメの世界」です。
デジタルカメラは、キャンプに直接関係無いと言えばそうですが、やはり思い出は「写真」に残したいものです。
でもそれを「良い写真で残す」となると中々難しいです。
この「デジカメの世界」はそういったキャンパーさんの悩みを少しでも解決できればと思い微力ながら始めた企画です。
(あまり役に立たないという声(奥さん)もありますが断固無視します。)
前回は良い写真の条件となる「
構図」の考え方を紹介しました。
前回の記事
今回はそこからさらに踏み込んだ「
奥行き」の考え方とその基本を説明していこうと思います。
目くるめくデジカメの世界④ ~構図をつくるために重要なレンズの選択~
まず、実際に写真を撮る際には「上下左右」の他に「
前後」というものがあります。
被写体の前と後、つまり「
奥行きの表現」ですね。
「奥行きの表現」と言うと、カメラを使った事のある人がまずピンとくるのは「
ボケ」を使った表現です。
と言うことで、ボケを表現するためのレンズの「被写界深度」の話を。。。。。。
と、言いたい所ですが、今回は「
ボケ」の話ではありません。
というのは、その話をする前に押さえておかなくてはいけない「
ポイント」があるからです。
そのポイントと言うのが「
レンズの画角」です。
レンズの分類は大きく分けて「広角レンズ」「標準レンズ」「望遠レンズ」とあります。
この分類の基準となっているのが「画角」です。
この画角を調節できるレンズが「ズームレンズ」で、画角が固定されているレンズを「単焦点レンズ」と言います。
レンズの画角とは?
レンズの画角は通常「焦点距離」で表します。
細かい話は別にするとして、レンズの「○○mm」という単位は、数字が小さいほど広角で、大きいほど「望遠」になります。
(※コンデジの場合は倍率で表記されることもあります。その場合でも数字が大きい方が望遠です)
レンズの画角とは図のように「レンズの角度」の事です。
「
同じ位置」から撮影した場合、広角はより広い範囲を、望遠はより狭い範囲を切り取ります。
無限遠(遠くの景色の事)以上のピントの範囲は単面になります。
その場合、画角は単純に「写真に収まる広さ」になりますが、被写体間に前後の奥行きがある場合、この画角によって「
被写体と背景とのバランス」が変わります。
「被写体を同じ大きさ」合わせた場合、広角レンズの場合はより背景が広く入り、望遠の場合はより狭い範囲が背景となります。
画角による違いの検証。
まあ、説明より実際の写真で見てみましょう。
※広角レンズでの撮影
広角では、ランタンの後に「より広い範囲」が背景として入り、多くの情報が詰め込めます。
遠景がより小さく見えるので、「遠近感が強調」されます。
フィールドの広さなど、「開放感がある写真」を撮りたいなら広角が便利です。
※望遠レンズでの撮影
同じ被写体を望遠レンズで撮影しています。
望遠では、画角が狭いため、背景の一部を切り抜いたような写真が撮れます。
そのため、被写体を「凝視」したような写真となります。
これは、専門的な言葉で「圧縮効果」と言います。
「圧縮効果」とは、望遠レンズの狭い画角で「遠近感が弱まり」被写体と背景の距離感が近づきます。
(※最初の富士山とトルテュの写真も圧縮効果を利用した写真です)
その効果を狙って「望遠レンズで写真を撮る」のはテクニックの一つです。
ちなみに「標準レンズ」というのは、カメラの基本レンズの事ではなく、「標準に見えるレンズ」という意味です。
標準レンズの焦点距離は50mm〜80mmくらいと言われています。
これは、「肉眼での見え方に近い写真」が撮れる画角です。
「広角」「望遠」は肉眼で見た風景から両極に振れる範囲のレンズを言います。
つまり、それぞれのレンズから見える風景は「写真でしか見ることの出来ない風景」ということで、これを切り取るのがそれぞれのレンズの役割です。
ここで重要なのは「どのレンズが良い」と言うことではなく、レンズごとに「
違いがあることを知る」ということです。
知った上で、どのレンズをチョイスして「
どのように前後関係を表現するか?」といのが写真を撮る時の重要な要素となるのです。
「奥行き」も単純に「差を付ける」だけでなく、「差を消す」のもまた、大事な表現になります。
今回なぜ、「奥行き表現」の話をするのに「画角の話」をしたかというと、画角は意外と写真を撮る時に意識されていないと思うからです。
と言うのは、画角の選択(レンズの選択やズームの調整)は、自分の「
立ち位置基準」にしていませんか?
まず、カメラを構えて立ち、その位置から被写体が丁度良い大きさになるようにズームを動かす・・・・というのが「立ち位置基準」の方法です。
それはそれで間違った撮り方ではないですが、そうなると上記の画角の違いによる写真の違いは、ほぼ「
運」だけで決定します。
それでは、良い写真が撮れる可能性も「
運」しだいです。
写真の重要な要素は「構図」ですから、どういった写真を撮るかコントロールする為には、「
レンズの画角の意識」がとても重要ということになります。
では、実際に上記の違いを意識して画角を「構図」に取り入れるにはどうするかというと。
「
カメラを持った自分が移動する」
と言う事になります。
切り取るレンズの画角を決めて、それが丁度良い位置に写るところに「自分から動く」のが写真を撮る時の基本となります。
私は師匠から。
「
止まるな、カメラが動け!!」
と口を酸っぱく言われましたが、その意味は構図と画角の関係にありました(と思う・・・)
移動できる範囲は場所によって制限がありますが、「画角」を意識した写真撮りができるようになると、写真の精度がぐんと上がると思います。
と言うことで、レンズの選択やズームの調整。
「画角」を意識して撮影すると、写真の世界がまたちょっと変わってくるというお話でした。
【おまけ】
で、最後にちょっと専門的なお話。
良く「望遠レンズ」の方がボケ足が長いと言われます。
これは、厳密に言うと間違いで、被写体のサイズが同じなら画角を変えても「被写界深度は同じ」つまり「ボケ具合は同じ」になります。
これ、きちんと説明するには難解な数式を解かないといけないのですが、説明より実物を見た方が早いと思います。
先ほどの例の写真です。
全体で見ると、狭い範囲を切り取っている「望遠レンズ」の方がボケているように見えますが、「同じ場所」を比べてみると同じボケ具合だと解ると思います。
広角レンズ
望遠レンズ
背景の「家と車」のボケ具合がほぼ一緒なのが解りますよね?
ただ、「広角レンズ」は背景が小さくなっている分、なんとなくピントが合っているように見えてます。
ですので、「写真の印象」と言う意味では「望遠の方がボケて見える」でも間違いではありません。
まあ、クドクド説明するほどの話ではありませんね(笑)
一応、ご参考まで。
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