写真 「レジェンド・オブ・デジカメ⑦ ~カメラへの道~」全7回

zero21kei

2016年10月03日 13:38

こんにちは。Kです。


長々と掲載した「デジカメの歴史」シリーズの最終回です。

最終回ということで「まとめ」にかかってます。


ですので、今回は最後に「あとがき」を書きました。




前回の記事

2016/08/22


2016/08/29


2016/09/05


2016/09/12


2016/09/20


2016/09/26












第7話 レジェンド・オブ・デジカメ ⑦ ~カメラへの道~


登場当時、「カメラ」の仲間にすら入れて貰えなかった「デジタルカメラ」は登場から10年足らずで、フィルムを押しのけ、カメラの主役となりました。

その原動力となったのは、ここで見てきたように各メーカーの「熾烈な技術競争」でした。


しかし、それも見た目には2006年頃で「革命的な」技術進化はピークを迎え、成熟の段階へ入ったように見えます。



コンシューマーモデルでは、2006年にカシオが出した1010万画素の「EXILIM ZOOM EX-Z1000」の発表以降、「ギガピクセル」を一つの基準に、用途や目的に合わせた「画素数」や性能のセンサーがカメラの性格によって選択されるようになります。

また、この辺りから、コンデジのトレンドは「手ぶれ補正」や「顔認証」など使い勝手を競うようになりました。

ボタン類のレイアウト、ソフトウェアの操作性などが洗練され、デジタルカメラは「写真を綺麗に手軽に撮るにはどうするれば良いのか?」という本来のコンデジに求められる「手軽さ」が注目されるようになりました。


この辺りを境に「デジタルカメラ」は本当の意味で写真を撮る道具である「カメラ」となったようです。



また、ハイエンド機種もニコンが2008年に「Nikon D3X」で2450万画素のモデルを投入することによって、高画素化については一つの答えに達しました。

2000万画素を超える高解像度は一部を除き用途が限られるため、あとはカメラに求められる性能と、画像処理エンジンやバッファ、保存メディアなど周辺とのバランスでチューニングされていくと思います。

2004年についた「ニコン」と「キヤノン」の圧倒的な性能差も無くなり、現在の差は「マニアのこだわりの差」といって良いように思います。



現在、デジタル一眼レフの市場では、ニコン、キヤノンの2社の他、オリンパス、ソニー、ペンタックス(リコー)などの企業を加え、熾烈なシェア争いをしていますが、基本性能に関わる部分は成熟しており、差別化の方法の模索の段階に入っているようです。


今後はソニーの「αNEX」のように残された「レフレックス」に対する挑戦が始まるのと(2009年の時点)、動画機能の成熟による「ビデオカメラ」との融合の流れになりそうです。


確かに、仕事の現場において「フォトグラファー」と「カメラマン」の仕事の融合は少しずつ始まっています。


しかし、「静止画(写真)」と「動画」は見る人に訴えかけるものが違います。

機械に何が出来るにしろ、「写真を撮る」という仕事は今後もフォトグラファーの手に委ねられていくと思います。




このシリーズは「フィルムからデジタルへ」という時代の流れを「レジェンド」となるデジタルカメラ達を軸に書いてきました。

フイルムという圧倒的な存在のまえに、あまりにも貧弱に思えた初期のデジタルカメラ。それがわずか数年で画質と操作性を向上し「カメラ」として君臨していきました。
現在、見渡してみると、カメラ市場はデジタル一色です。

ですので、デジタルカメラの向上はこれからも続きますが、「フィルム」と戦ってきた「レジェンド・オブ・デジカメ」達の歴史はここが終点になります。



「デジタルカメラ」はこの10年の熾烈な戦いの末、フィルムを超える機能を手に入れ「カメラ」として完成しました。

「完成した」と言う事は、「機械」によって写真のクオリティが振り回される時代が終わったことを意味します。



今後、フォトグラファー達は、技術的に成熟し、各メーカーのアイディアが詰まった「デジタルカメラ」を手に、この10年、「テクノロジー」の猛烈な進化の前で忘れかけていた「本来の場所」へ帰って行くことでしょう。



そう、「写真」を撮るということ。





『レンズの向こう側の世界へ』












おしまい。











あとがき


長々と稚拙な文章を読んでいただき誠にありがとうございました。



記事は2009年に書いたことなので、最後に、まだ出始めだった「ミラーレス化」と「動画との一体化」について触れています。

あれから7年が経ち「ミラーレス」と「動画」の方向性は、11月発売が発表されたキヤノンの「EOS-M5」が今後を占うカメラの一つとなりそうで期待してます。






また、当時予想が出来なかった事としては、「AF性能の向上」と「高感度化」です。

これらの技術は私の予想を超えていましたが、はっきり言えるのは、デジタルカメラが「表現できる世界」はまだまだ広がり続けていると言う事です。



このシリーズは当時、SNSサイトで仲間内に書いた記事です。

今回、ナチュログを始めるにあたり、一部書き直しながら再掲載してみました。


自分で読み返してみて、当時の状況をしみじみと思い出しました。




私が写真の仕事を始めたのはちょうどこのシリーズの2話や3話ごろの1996年です。

「商品撮影」がメインで、当時から今でもスタジオ内で使っているのは「フイルムバック型」のデジタルカメラです(誰も知らない形のカメラです・・)

当時はフィルム撮影が当たり前で、デジタルで仕事をしていると嫌な思いを色々しました(所謂ベテランの方々にいろいろと・・・)



私の師匠はバリバリのフィルムの人でしたが、いち早くデジタル化した第一世代の人ですし、現在でも現役で活躍されてます。


そんな師匠に写真を教えて貰えたのは幸運なことでした。


師匠は自分で「オレは芸術家じゃない、技術者だ!」と豪語する人なので、私も写真に関しては「技術者」だと思っています。


ですので、呼称も「写真家」とかではなく、単純に「フォトグラファー」と言ってます。(カメラマンでもいいですけど)




商品撮影は、スタジオ内で全ての「光を」コントロールして作業します。

明るさだけでなく、光の質も考え、その商品が一番美しく見える「構図」のなかに「光」と「影」を作っていきます。






若い頃は一日中仕事としての「写真」の事ばかり考えていました。

最初はライティングのイロハを。その後はそれをどう使っていくのか。どうやって表現していくのか・・・・。



おかげで、休みの日は「カメラ」を見るのも嫌でした(笑)



プライベートで写真を撮るようになったのは最近の事です。こうやってキャンプなどで写真を撮るようになって初めて「写真の別の世界」に触れた気分です。


「内側に細分化していく写真の世界」から「外側に解放されていく写真の世界」というか・・・。





一応、東京の片隅で、自分のスタジオで仕事をしています。(実は他の仕事もあるんですけど・・・)


キャンプの写真はそういった仕事から離れて伸び伸びとやってます(奥さんもバンバン撮ってます)


と言う事で、でこのブログの写真、諸先輩方に比べて稚拙な写真が多いですが、私たちの「遊び」の写真ということでなにとぞご容赦ください。




また、今後もカメラシリーズは続けて行こうと思います(定期だとしんどいので不定期で・・・・。)




次回はこのシリーズ、小ネタの番外編があるので、まずは番外編で行きたいと思います(笑)



番外編
2016/10/10







にほんブログ村




あなたにおススメの記事
関連記事