こんにちは。Kです。
このプジョーでキャンプ。
最近はキャンプの「
写真ブログ」の性格が強くなりつつあります(笑)
今回もその流れの中、先日の「工場夜景キャンプ」の時に夜景の光が輝いて見える「
光条(光芒)」を撮りました。
ちなみに今まで、「光芒」という言い方で覚えていたのですが、今回の記事を書くために色々調べたら「
光条」という言い方の方が良さそうなので、こちらで統一します。
工場夜景の記事はこちら
では、「光条」はどうして出来て、どうやったら「写真に活かせるか」をお話したいと思います。
目くるめくデジカメの世界⑨ ~光条を作り出す天使の羽根~
写真において「
光条」という現象は、レンズにある「
絞り羽根」と呼ばれる「装置」によって生まれます。
絞り羽根はレンズに入る「光の量」を調節して「F値」を変化させるものです。
レンズの中に見えるのが「絞り羽根」で、このレンズの場合、絞り羽根は7枚なので、7角形になってます。
本来の絞りの目的だけであれば、絞りの形は「
円形」が理想になります。
しかし、仕組み上「円形」を大きくしたり小さくしたりさせるのは難しいようで、この「絞り羽根」と呼ばれる「羽根」を数枚使ってコントロールするようになっています。
このため、絞り込むと、光が入る所が羽根の枚数分の「
多角形」になります。
そして多角形の「角」の所に「
光の回折」という現象により「
光条」が生まれるのです。
光の回折と絞り羽根の関係
光には「光子」と呼ばれる「粒子」の性質と、「光波」と呼ばれる「波動(波)」の性質があります。
回折は光の「波動性」から生まれる現象で、直進してきた光に遮蔽物があった時、遮蔽物を回り込む現象の事です。
と、難しい「物理」の理屈はさておき、実際の「光条」の出方は、レンズの「絞り羽根の数」で変わります。
「光条」の本数は「絞り羽根」が「偶数」の場合は羽根の数と同じ本数。
「奇数」の場合は羽根の数の倍の本数が出ます。
「図」で書くとこんな感じです。
偶数の場合は、対角線で「光条」が発生して大きな光の線になります。
奇数の場合は角がそれぞれずれるので、角側に「大きな光条」その反対側に「細い光条」が出ます。
絞り羽根は「光条」の為に付いているのではないので、羽根の数はそれぞれの「レンズ」の設計によって変わります。
ただ、何となくですが、最近のレンズは奇数の7枚や9枚が多いような気がします。
と言って、理由は「レンズ」にあまり詳しくないのでよく解りません(笑)
絞り値による光条の変化
では、どのくらい絞れば光条がでるのでしょうか?
結論から言えば、「
絞るだけ大きく」なります。
ただ、絞りには「小絞りボケ」という現象があります。
絞りを大きくし過ぎ ると、写真全体の「シャープネス」が失われる現象で、これも「光の回折」が原因です。
「小絞りボケ」は写真の細かいディテールに関わることなので、あまり厳密に意識する必要はありませんが、限界まで絞ると「
ちょっとピントが甘くなる」と思っておいて下さい。
「光条」の変化は文章で説明するより、実際の写真を見れば解ると思います。
「百聞は一見にしかず」ですね。
そのため、サンプルを用意しました。
今回のサンプルは、太陽を同一アングルで、絞りを「F5.6」から1段ずつ下げて撮影してます。
その分、シャッタースピードを1段ずつ上げているので、スピードは1/2づつ遅くなってます(遅い方がより光が入ります)
絞りを1段下げ、シャッタースピードを1段上げているので、写真自体の「露光量」は全て同じになってます。
サンプル撮影で使ったレンズの絞り羽根は偶数の8枚羽根なので、光条の本数も8本になります。
では、サンプルの画像です。
● F5.6 1/8,000
● F8 1/4,000
● F11 1/2,000
● F16 1/1,000
● F22 1/500
という感じです。
とにかく、「絞りを絞るほど光条は大きくなる」ので、カメラの操作としては簡単です(笑)
強い光源が被写体にあるとき、カメラを「マニュアル」もしくは、「Avモード」で絞り込んで撮影すればOKです。
ただ、強い光源にレンズをむけると、「フレア」や「ゴースト」という現象が起こりやすいので、注意は必要です。
※「フレア」「ゴースト」についてはまた別の機会に記事にします。
真夏の太陽や月の光、自分のサイトのランタンの光など、「
光条」を使った表現は色々使えますので、皆さんも試してみて下さい。
【おまけ】
今回、「工場夜景」の撮影では絞りは「F11〜F16」くらいで撮影してます。
● F14 2.5秒
● F16 13秒
カメラは3脚で固定して撮ってます。
設定としては長時間露光をするのでシャッターを押した時の振動によるブレを防ぐため、「ミラーアップ」+「セルフタイマー(2秒)」にしています。
あと、もう一つ「重要な事」があります。
それは、カメラについている「
手ぶれ補正機能」を必ず「
OFF」にする事です。
カメラ固定で「長時間露光(1秒以上)」で撮影するときに「手ぶれ補正」を使うと、逆に「ブレて」しまいます。
これは、工場夜景だけではなく、「
夜のキャンプサイト」や「
星空撮影」など、三脚でカメラを固定して、1秒以上のシャッタースピードで「ビシッ」っとピントを合わせて撮りたい場合は全て同じです。
(手持ちでスナップを撮るときは手ぶれ補正はONにして少しでもブレを防いでください)
私たちが持ち込んだ「望遠レンズ」には「IS(イメージスタビライザー)」という「光学式手ぶれ補正」が付いていますので、これを「OFF」にしています。
シャッタースピードは被写体の明るさによって変わりますが、この時は、2秒〜15秒くらいの間で撮影してます。
シャッタースピードはISOをもう少し上げると早く出来ますが、長い方が煙突の煙が流れて、綺麗になる感じでした。
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