琥珀色の麦酒の輝き ③ ~歴史探索 中世から現代に至るビール~
こんにちは。Kです。
ビールの歴史の3回目です。
ビールの主原料は「大麦麦芽、ホップ、酵母、水」です。
今ではある意味「当たり前」の原料ですが、これが「当たり前」になったのはドイツの1つの公国で発布されたある「法律」が大きな影響を与えています。
●ビールの基本を定めた法律「ビール純粋令」の発布。
1516年(日本は室町時代中期)、ドイツのなかの1つの国、「バイエルン公国」のヴィルヘルム4世は、現在のビールの基準となる一つの法令を発布しました。
それが、「ビール純粋令」です。
内容は
「ビールの原料には麦芽とホップ、水しか使ってはならない」
という、とても簡素な内容の法律です。
なぜ、このような法律が出たかと言うと、当時「ビール」は粗悪なものが多く出回っていました。
それを是正するために発令されたのが「ビール純粋令」です。
しかし、結果として、この法律が「ビールの品質」を決める一つの世界的な指標となりました。
そして、この法律はちょっとづつ形を変えながら、今のドイツ国内でも「有効な法律」として生きています。
ビールの定義は国よって若干違いますが、日本でもある程度の「副原料」を認めつつも、基本はこの「ビール純粋令」に依って法律(税制)上のビールの定義を行っています。
●大航海時代のイギリスのビール
ヨーロッパ大陸の「ビアー」が8世紀以降、ホップを使うようになるなか、イギリスの「エール」は「ホップ」の使用を禁止し続けます。
理由は色々ありますが、一番大きいのは、イギリスではビールの製造には麦芽のほか「グルート」と呼ばれる薬草などを添加していました。
この「グルート」の販売は「既得権益」となっており、「グルート」を使わないでビールが出来てしまう「ホップ」の使用を国策として禁止していたようです。
そのため、ヨーロッパ大陸のホップを使ったビールが席巻する中、イギリスでは独自のエールビール作りが続いて行きます。
その後、紆余曲折を経て、イギリスでも17世紀に入って、やっと「ホップ」の使用が認められます。
ドイツでの発見から900年も経っているのですから、この問題は英国にとって「とても大きな問題」だったようです。
このイギリスの特殊な環境は、ヨーロッパ大陸の「ラガービール」に対して、イギリスの「エールビール」というように、ビール造りが独自の発展をとげるきっかけとなりました。
また、イギリスにとって17世紀というのは「大英帝国」の発展が始まる時期でした。
「北米大陸」への進出、「東インド会社」の設立など、イギリスが海外の「植民地」をどんどん獲得していったのが17世紀です。
このイギリスの発展により、遠く離れた植民地でも「ビール」の需要が高まりイギリス本国からビールがどんどん輸出されるようになります。
その過程で生まれたのが最近流行である「インディアン・ペール・エール(I.P.A)」です。
インドの植民地へビールを船で運ぶには「赤道」を越えねばならず、普通のビールでは「腐って」しまいます。
その対策として作られたのが、殺菌力を増やす為、アルコール度数を高めて「ホップ」を大量に入れた「I.P.A」でした。
これにより、赤道を渡って遠く離れた「インド」でもペールエールが飲めるようになったのです。
また、イギリス本国の港では、港湾で働く労働者の間に、深くローストした漆黒のエールビール、「ポーター」が飲まれるようになります。
その「ポーター」をさらに発展させたが隣国、アイルランドのブリュワリーである「ギネス」です。
ギネスは「ポーター」をさらにアルコールや味わいを深めた新しいビール。
「スタウト・ポーター」を作ります。
この「スタウト」は今では世界中に広まり、ギネスの名を確固たるものにしています。
こうしてヨーロッパでは「ビール」が色々な形で発展していきました。
こうした歴史を持つビールも今では「輸入ビール」として日本でも比較的容易に手に入れて楽しむ事が出来ます。
また、ヨーロッパでは「ビール」といっても幅が広く、日本のビールは多くの種類(スタイルと言います)のうち、ほんの一部だけがビールと呼ばれているのです。
次回は、ビールの歴史の最終回、日本のビールの歴史。略して「日本史」です(笑)
ビールの歴史の3回目です。
ビールの主原料は「大麦麦芽、ホップ、酵母、水」です。
今ではある意味「当たり前」の原料ですが、これが「当たり前」になったのはドイツの1つの公国で発布されたある「法律」が大きな影響を与えています。
●ビールの基本を定めた法律「ビール純粋令」の発布。
1516年(日本は室町時代中期)、ドイツのなかの1つの国、「バイエルン公国」のヴィルヘルム4世は、現在のビールの基準となる一つの法令を発布しました。
それが、「ビール純粋令」です。
内容は
「ビールの原料には麦芽とホップ、水しか使ってはならない」
という、とても簡素な内容の法律です。
なぜ、このような法律が出たかと言うと、当時「ビール」は粗悪なものが多く出回っていました。
それを是正するために発令されたのが「ビール純粋令」です。
しかし、結果として、この法律が「ビールの品質」を決める一つの世界的な指標となりました。
そして、この法律はちょっとづつ形を変えながら、今のドイツ国内でも「有効な法律」として生きています。
ビールの定義は国よって若干違いますが、日本でもある程度の「副原料」を認めつつも、基本はこの「ビール純粋令」に依って法律(税制)上のビールの定義を行っています。
●大航海時代のイギリスのビール
ヨーロッパ大陸の「ビアー」が8世紀以降、ホップを使うようになるなか、イギリスの「エール」は「ホップ」の使用を禁止し続けます。
理由は色々ありますが、一番大きいのは、イギリスではビールの製造には麦芽のほか「グルート」と呼ばれる薬草などを添加していました。
この「グルート」の販売は「既得権益」となっており、「グルート」を使わないでビールが出来てしまう「ホップ」の使用を国策として禁止していたようです。
そのため、ヨーロッパ大陸のホップを使ったビールが席巻する中、イギリスでは独自のエールビール作りが続いて行きます。
その後、紆余曲折を経て、イギリスでも17世紀に入って、やっと「ホップ」の使用が認められます。
ドイツでの発見から900年も経っているのですから、この問題は英国にとって「とても大きな問題」だったようです。
このイギリスの特殊な環境は、ヨーロッパ大陸の「ラガービール」に対して、イギリスの「エールビール」というように、ビール造りが独自の発展をとげるきっかけとなりました。
また、イギリスにとって17世紀というのは「大英帝国」の発展が始まる時期でした。
「北米大陸」への進出、「東インド会社」の設立など、イギリスが海外の「植民地」をどんどん獲得していったのが17世紀です。
このイギリスの発展により、遠く離れた植民地でも「ビール」の需要が高まりイギリス本国からビールがどんどん輸出されるようになります。
その過程で生まれたのが最近流行である「インディアン・ペール・エール(I.P.A)」です。
インドの植民地へビールを船で運ぶには「赤道」を越えねばならず、普通のビールでは「腐って」しまいます。
その対策として作られたのが、殺菌力を増やす為、アルコール度数を高めて「ホップ」を大量に入れた「I.P.A」でした。
これにより、赤道を渡って遠く離れた「インド」でもペールエールが飲めるようになったのです。
また、イギリス本国の港では、港湾で働く労働者の間に、深くローストした漆黒のエールビール、「ポーター」が飲まれるようになります。
その「ポーター」をさらに発展させたが隣国、アイルランドのブリュワリーである「ギネス」です。
ギネスは「ポーター」をさらにアルコールや味わいを深めた新しいビール。
「スタウト・ポーター」を作ります。
この「スタウト」は今では世界中に広まり、ギネスの名を確固たるものにしています。
こうしてヨーロッパでは「ビール」が色々な形で発展していきました。
こうした歴史を持つビールも今では「輸入ビール」として日本でも比較的容易に手に入れて楽しむ事が出来ます。
また、ヨーロッパでは「ビール」といっても幅が広く、日本のビールは多くの種類(スタイルと言います)のうち、ほんの一部だけがビールと呼ばれているのです。
次回は、ビールの歴史の最終回、日本のビールの歴史。略して「日本史」です(笑)
コメント
こんばんは!
まさかzero21keiさんとビールネタがかぶるとは思ってませんでした(^∇^)
ビールってこんなにも深いものだったと思いませんでした、勉強になります!
インディアンのラベルがすごく気になっちゃうんですがw
まさかzero21keiさんとビールネタがかぶるとは思ってませんでした(^∇^)
ビールってこんなにも深いものだったと思いませんでした、勉強になります!
インディアンのラベルがすごく気になっちゃうんですがw
あんみつさん。おはようございます。
IPAのインドの青鬼はよなよなエールの製品ですよ。
場所によってはコンビニで売っているパンチの効いたビールです。
普通のビールと思って飲むと味の違いにびっくりしますよ。
IPAのインドの青鬼はよなよなエールの製品ですよ。
場所によってはコンビニで売っているパンチの効いたビールです。
普通のビールと思って飲むと味の違いにびっくりしますよ。