車の事をつらつら。悪路で起こる「スタック」の原理と脱出方法について
こんにちは。Kです。
今回はキャンプにも関係ある「車」のお話です。
※何となくイメージ。ただ凍ってるだけスタックした写真ではないです(笑)
「オートキャンプ」では車で乗り入れる場所が必ずしも整地されていると限りません。
つまり「悪路」を走行する事が多々あります。
この「悪路」は、ガタガタで乗り心地が悪いのは勿論ですが、もっと注意が必要な事があります。
それが泥濘などで車が動けなくなる、いわゆる「スタック」という状態です。
この状態に完全にはまってしまうと、自力で脱出できなくなり、「JAF」などを呼んで救援してもらう必要があります。
スタックの危険性は雪国で運転される方にとっては常識ですが、雪のない地域ではあまりスタックの経験って少ないと思います。
では「スタック」はどういう状態で起こるのでしょうか?
まあ、「タイヤがスリップする場所」でなります。
それは当たり前ですが、じつは一般的にはあまり知られていない(かな?)自動車の装置も影響しています。
それが、差動装置(デファレンシャル)という装置です。
Wikipediaより
左右の回転差を吸収する装置で、左右の車軸の間に付いている「歯車」です。(当然ザクッとした言い方です)
「えー、うちの車はそんな高級じゃないからデフ付いてないかも・・・」
と言うことは絶対になく。「必ず」付いています。(ラジコンにも付いてるくらいです)
色々な役目がある装置ですが、解りやすい所では、カーブなどでの「左右の車輪の回転差」を調節しています。
図のように車が曲がる時は、内側のタイヤの方が外側のタイヤより進む距離が短くなります。
この状態で左右のタイヤが同じ回転をすると車は綺麗に曲がる事ができません。
こういった「回転差」を調節するのがデフの役目です。
運動会の行進で曲がる時、外側の子供が全力で行進して曲がるのに対して、内側の子供が足踏みして調節しますよね。
あれを機械的に行う装置だと思えば良いです。
では「スタック」の話に戻ります。
駆動輪の片側のタイヤがスリップし「完全に空転」している状況では、差動装置(デフ)の働きで、接地しているもう片方のタイヤには「力が加わらない状態」になっています。
つまり、スタックして「タイヤが空転」している時、その迫力あるエンジン音とは裏腹に車には「前に進む力」が全く働いていないのです。
スタック時の対処方法は、まず、「タイヤを空転」させないようにすることです。
「タイヤが空転す」るとほとんどの場合「穴」を掘ります。
掘りこんでしまうと、ただでも滑っているのにタイヤの前後に壁が出来ますから、脱出不能になります。
スタックしたらまずは1回車から降りて、填っているタイヤと状況を確認します。
●スタックが浅い場合は、自力での脱出を試します。
まずハンドルを直進にします。
舵角がある(タイヤが曲がっている)と車輪にトルクが上手く伝わりません。
前輪駆動車(FF)の場合は後部座席の人に降りて貰います。トランクに重量物がある場合は降ろした方が良いです。
というのはFF車は駆動輪が前なので、後方が重いと駆動輪が浮いた状態になりやすいからです。
逆に後輪駆動車(FR)の場合は、後方に重量物を増やすのも手ですので、人に乗って貰うと脱出できる場合があります。
前進時にスタックしたならまずバックで様子をみます。(バック時なら前進ですね)
これでちょっとでも動く事が出来たら、そこから前進して滑るところでブレーキ、またバックという感じで何回か振り子のようにすると、最終的に勢いで抜けられる場合があります。
●自力がダメなら、人力で車を押します。
車の力で抜けられないのに押しても意味が無さそうですが、上記の理由により、もともと「車は前に進む力を失っている」ので、人の力でタイヤがグリップするところまで移動させれば脱出できます。
押して貰う場合は、タイヤを空転させないように気を付けながらアクセルを踏みます。
タイヤがグリップする点まで押して貰えれば、軽くアクセルを踏むだけで脱出出来る場合があります。
●タイヤの下に滑り止めを噛ませる
「スノーヘルパー」のようなものがあればそれをタイヤ下へ敷くと脱出出来る場合があります。
無い場合は、段ボールや布きれ、ワラなど滑り止めになりそうなものをタイヤのしたへ入れます。
その状態で、最初の振り子を試してみて、上手くグリップが出来れば脱出できます。
ただ、場合によっては挟んでいる「滑り止め」がタイヤが空転した時に「飛び出す」場合があるので、周りには注意してアクセルを踏んでください。
●上記の方法でダメなら諦めます。
上記の方法で抜けられない場合はほぼ完全にスタックしてますので、あきらめで「JAF」を呼んでください。
JAF会員なら確か無料でロードサービスを受けられると思います。
また、自動車保険によっては、専用のロードサービスがある事もあるので、まずは保険会社に電話するのも良いかもしれません。
今回の記事は一般的なオートキャンプで使う「自家用車(ファミリーカー)」を想定して書いてます。
当然上記の方法や事由が当てはまらない事もありますが、あくまで一般論として読んで頂ければ幸いです。
これからの冬キャンシーズン。
雨の他にも「雪」とかありますので、運転には注意してください。
今回はキャンプにも関係ある「車」のお話です。
※何となくイメージ。ただ凍ってるだけスタックした写真ではないです(笑)
「オートキャンプ」では車で乗り入れる場所が必ずしも整地されていると限りません。
つまり「悪路」を走行する事が多々あります。
この「悪路」は、ガタガタで乗り心地が悪いのは勿論ですが、もっと注意が必要な事があります。
それが泥濘などで車が動けなくなる、いわゆる「スタック」という状態です。
この状態に完全にはまってしまうと、自力で脱出できなくなり、「JAF」などを呼んで救援してもらう必要があります。
スタックの危険性は雪国で運転される方にとっては常識ですが、雪のない地域ではあまりスタックの経験って少ないと思います。
では「スタック」はどういう状態で起こるのでしょうか?
まあ、「タイヤがスリップする場所」でなります。
それは当たり前ですが、じつは一般的にはあまり知られていない(かな?)自動車の装置も影響しています。
それが、差動装置(デファレンシャル)という装置です。
Wikipediaより
左右の回転差を吸収する装置で、左右の車軸の間に付いている「歯車」です。(当然ザクッとした言い方です)
「えー、うちの車はそんな高級じゃないからデフ付いてないかも・・・」
と言うことは絶対になく。「必ず」付いています。(ラジコンにも付いてるくらいです)
色々な役目がある装置ですが、解りやすい所では、カーブなどでの「左右の車輪の回転差」を調節しています。
図のように車が曲がる時は、内側のタイヤの方が外側のタイヤより進む距離が短くなります。
この状態で左右のタイヤが同じ回転をすると車は綺麗に曲がる事ができません。
こういった「回転差」を調節するのがデフの役目です。
運動会の行進で曲がる時、外側の子供が全力で行進して曲がるのに対して、内側の子供が足踏みして調節しますよね。
あれを機械的に行う装置だと思えば良いです。
では「スタック」の話に戻ります。
駆動輪の片側のタイヤがスリップし「完全に空転」している状況では、差動装置(デフ)の働きで、接地しているもう片方のタイヤには「力が加わらない状態」になっています。
つまり、スタックして「タイヤが空転」している時、その迫力あるエンジン音とは裏腹に車には「前に進む力」が全く働いていないのです。
スタック時の対処方法は、まず、「タイヤを空転」させないようにすることです。
「タイヤが空転す」るとほとんどの場合「穴」を掘ります。
掘りこんでしまうと、ただでも滑っているのにタイヤの前後に壁が出来ますから、脱出不能になります。
スタックしたらまずは1回車から降りて、填っているタイヤと状況を確認します。
●スタックが浅い場合は、自力での脱出を試します。
まずハンドルを直進にします。
舵角がある(タイヤが曲がっている)と車輪にトルクが上手く伝わりません。
前輪駆動車(FF)の場合は後部座席の人に降りて貰います。トランクに重量物がある場合は降ろした方が良いです。
というのはFF車は駆動輪が前なので、後方が重いと駆動輪が浮いた状態になりやすいからです。
逆に後輪駆動車(FR)の場合は、後方に重量物を増やすのも手ですので、人に乗って貰うと脱出できる場合があります。
前進時にスタックしたならまずバックで様子をみます。(バック時なら前進ですね)
これでちょっとでも動く事が出来たら、そこから前進して滑るところでブレーキ、またバックという感じで何回か振り子のようにすると、最終的に勢いで抜けられる場合があります。
●自力がダメなら、人力で車を押します。
車の力で抜けられないのに押しても意味が無さそうですが、上記の理由により、もともと「車は前に進む力を失っている」ので、人の力でタイヤがグリップするところまで移動させれば脱出できます。
押して貰う場合は、タイヤを空転させないように気を付けながらアクセルを踏みます。
タイヤがグリップする点まで押して貰えれば、軽くアクセルを踏むだけで脱出出来る場合があります。
●タイヤの下に滑り止めを噛ませる
「スノーヘルパー」のようなものがあればそれをタイヤ下へ敷くと脱出出来る場合があります。
無い場合は、段ボールや布きれ、ワラなど滑り止めになりそうなものをタイヤのしたへ入れます。
その状態で、最初の振り子を試してみて、上手くグリップが出来れば脱出できます。
ただ、場合によっては挟んでいる「滑り止め」がタイヤが空転した時に「飛び出す」場合があるので、周りには注意してアクセルを踏んでください。
●上記の方法でダメなら諦めます。
上記の方法で抜けられない場合はほぼ完全にスタックしてますので、あきらめで「JAF」を呼んでください。
JAF会員なら確か無料でロードサービスを受けられると思います。
また、自動車保険によっては、専用のロードサービスがある事もあるので、まずは保険会社に電話するのも良いかもしれません。
今回の記事は一般的なオートキャンプで使う「自家用車(ファミリーカー)」を想定して書いてます。
当然上記の方法や事由が当てはまらない事もありますが、あくまで一般論として読んで頂ければ幸いです。
これからの冬キャンシーズン。
雨の他にも「雪」とかありますので、運転には注意してください。
コメント
こんにちは~
雨のゆめ牧場もすべりますね~
車乗り入れ可ですから雨で下地も凸凹
牧草は良く滑る。
更には坂。
スタックする条件が揃いまくりです(笑)
始めて4WDに乗り換えたくなりました。
雨のゆめ牧場もすべりますね~
車乗り入れ可ですから雨で下地も凸凹
牧草は良く滑る。
更には坂。
スタックする条件が揃いまくりです(笑)
始めて4WDに乗り換えたくなりました。
こんにちは。
幸いにもスタック経験ありません。
かれこれ10年以上AWD(4WD)に乗っていて、恩恵がどの程度あったかは分かりませんが 。
慌てると、脱出方法忘れそうです。
幸いにもスタック経験ありません。
かれこれ10年以上AWD(4WD)に乗っていて、恩恵がどの程度あったかは分かりませんが 。
慌てると、脱出方法忘れそうです。
ちょみ太さん。こんにちは。
濡れた草地って良く滑るんですよね。たまにドキッとする事あります。
キャンプをずっとやっていくと、やはり4WDが欲しくなりますよね〜。
でも、うちはまだまだプジョーで行きます。
スタック対策も兼ねて、LSDでも装着しようかな?(笑)
濡れた草地って良く滑るんですよね。たまにドキッとする事あります。
キャンプをずっとやっていくと、やはり4WDが欲しくなりますよね〜。
でも、うちはまだまだプジョーで行きます。
スタック対策も兼ねて、LSDでも装着しようかな?(笑)
ぶーだんさん。こんにちは。
雪深い北欧スウェーデンの車のAWDは性能抜群なんでしょうね。
記事を書いたのは先月行ったキャンプで、ワンボックスカーがスタックしてJAFを呼んでいました。
スタックした瞬間、全力で両輪空転させてた結果、10cm以上ほりこんで一瞬にしてアウト。
しかも6人くらい乗ったままでした・・・。
あそこまで酷いスタックは中々無いと思いますけど、スタックの脱出方法を知らない人も多いみたいです。
雪深い北欧スウェーデンの車のAWDは性能抜群なんでしょうね。
記事を書いたのは先月行ったキャンプで、ワンボックスカーがスタックしてJAFを呼んでいました。
スタックした瞬間、全力で両輪空転させてた結果、10cm以上ほりこんで一瞬にしてアウト。
しかも6人くらい乗ったままでした・・・。
あそこまで酷いスタックは中々無いと思いますけど、スタックの脱出方法を知らない人も多いみたいです。
スノーヘルパー、オヤジがFRのクルマ乗ってた時に使ってたの思い出しました。
この頃使ってる人は見ませんね。
自分で買ったクルマはすべて4WDですが、キャンプに行くようになってからデフロック付きのにしました。
幸いハマったことは無いですが、雪山に突っ込んで亀状態になるとお手上げですね。
ランクルとトラクターのお世話になったことがあります(;´∀`)
この頃使ってる人は見ませんね。
自分で買ったクルマはすべて4WDですが、キャンプに行くようになってからデフロック付きのにしました。
幸いハマったことは無いですが、雪山に突っ込んで亀状態になるとお手上げですね。
ランクルとトラクターのお世話になったことがあります(;´∀`)
明日太さん。こんばんわ。
免許とってから、生粋のFF乗りでして、4WDは北海道で借りるレンタカーくらいしか経験がありません(笑)
四駆って、パートタイム、フルタイムなど色々ありすぎて、メカニカル理屈は何となくわかりますが、運転した感じなどはわかりません。
デフロックは、むしろ雪道の方が使いそうですが、そうでもないんですね。
免許とってから、生粋のFF乗りでして、4WDは北海道で借りるレンタカーくらいしか経験がありません(笑)
四駆って、パートタイム、フルタイムなど色々ありすぎて、メカニカル理屈は何となくわかりますが、運転した感じなどはわかりません。
デフロックは、むしろ雪道の方が使いそうですが、そうでもないんですね。