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プジョーでキャンプ

家族3人でプジョーのSUVに乗ってキャンプしてます。

目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~

こんにちは。Kです。


今週は(あまりキャンプに関係ない)濃いめの記事が続きます。


今日は、知る人ぞ知る、裏人気シリーズの「カメラのお話」です。

「プジョーでキャンプ」の中ではPVが伸びないシリーズで、しかもカメラにあまり興味がない奥さんからは「詰まらない」の烙印を押されてる、まさに孤軍奮闘のシリーズです(笑)

しかし、一部のコアなファンの方々に支えられ、すでに7回も記事を書いてきました。


実は、「目くるめくデジカメの世界」の8番目は、別の内容の記事を書いてあったのですが、諸般の事情により今回の記事を先にします。(その記事は9番目か10番目になりそうです)



前回は「レンズの明るさ」の話でした。

前回の記事はこちら





今回はレンズより内側(カメラ側)のお話で、「ホワイトバランス」についてです。

目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
この写真は「ホワイトバランス」という値を変えて現像したデータを合成したものです。

今回はこの「色味の違い」を説明していきたいと思います。


ただ、内容は結構難しい(いつも難しいですけど。。)と思うので、上手く説明できているかちょっと自信が無いです。

内容がよく解らない場合は、いつでもご質問ください。




目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~



白く見える光にも「」があります。

ですので、色々な「色の光」で照らされた「」はその色の影響を受けています。


普段、私たちは、太陽を含め、いろんな照明の下で「白い物を白い」と思って生活をしています。


まあ、真夏の太陽の下でも、一家団らんの食卓の上だろうと「白い物は白い」ですよね。



しかし、本当にこれは「思っているだけ」なのです。



例えば、深夜、マンションを外から見ると、窓の光は「オレンジ」や「緑」「青」と色々な色で輝いて見えます。
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
※左側はオフィスビルなので窓は同じ色ですが、右のマンションの窓はカラフルです。


しかし、それぞれの部屋の中に入れば、外で見たような色ではなく「白」く見えます。


これは、人間が目からの情報を「脳内で補完」しているからです。

さすがに原色に近い光はそれぞれの色で感じますが、多少光が「青っぽくても」「赤っぽくても」その光の中にいると、その光が「白」だと判断するのです。


これは、目で見るだけなら「ふーんそうなんだ、便利だね」で終わりです。

しかし「写真」の場合はそうはいきません。

写真は「脳内で補完」してくれないので「青い写真は青く」見えてしまうからです。



そのため、「デジタルカメラ」には「光の色」の違いを整える機能があり、これを「ホワイトバランス」と呼んでいます。

通常、カメラの設定は「ホワイトバランス」が「オート」になっていて、カメラが自動で適切な色へ変換してくれます。

しかし、そこは機械の仕事なので、必ずしも自分の印象と同じ色になるとは限りません。

写真を撮って、青すぎたり、赤すぎたりするのは、こういった人間と機械の間に「ずれ」があるためなのです。




光の色の数値化、色温度


光の色を数値化したものを「色温度」と言って、単位は「K(ケルビン)」で現します。


「ケルビン」は熱力学温度の単位で、「色温度」の定義上、物質の温度(エネルギー)によって発光する色の違いを単位にしています。

ですので「色温度」は「光の強弱」ではなく、あくまで「光の色」を現します。

※この説明で頭がクラッと来た人は「色温度は光の色」とだけ覚えてください。



「色温度」は数値が低い方が「赤い光」に近く、数値が大きいほど「青い光」に近づきます。


なかなか文章で説明しても解らないと思うので、実際に2種類の色が違う照明で撮影してみましょう。

使うのは「ストロボ(5500K)」と「タングステン(3200K)」というライトです。


撮影場所は、うちのスタジオで、テスト用の被写体は「XANAVI NISMO Z 23号車」2007年の車のミニカーです。


まずは、ストロボで撮影します。
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
※この写真はiPhoneで撮影しています。ストロボ撮影ですが「モデリングランプ」という照明が点いている状態です。


ストロボの色温度は「5500K」で日中の太陽の色とほぼ同じ「寒色系(青系の色)」の色味です。

カメラ側のホワイトバランスの設定も色温度を「5500K」にします。

ストロボの発光は一瞬なので、実際はシャッターを切ったときに発光します。



では、撮影してみましょう。

カシャ!
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~

こんな感じです。

まあ、普通ですね(笑)


次は「タングステン」と言われる、撮影用の電球を使います。
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
TOPに500W、サイドに300Wを入れます。

タングステンの色温度は「3200K」の電球光で、「暖色系(赤系の色)」の色味です。

ただ、見た目もそうですが、iPhoneで撮影した画像は白く見えます(iPhoneのオートホワイトバランスが働いているからです)

カメラの設定は、ストロボ撮影の時と同じ「5500K」のままです。

では、撮影してみましょう。

カシャ!
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~

ライトが「3200K」なので写真が「暖色系」になりました。

カメラの設定が「5500K」で「3200K」の光を撮ると「赤くなる」のです。

そこで、カメラの設定を「3200K」に合わせて再度撮影してみましょう。

カシャ!
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~

こうするとライトの質の違いが若干ありますが、最初の写真と同じで、綺麗なグレーが出ています。

今度は、この「3200K」の設定のまま、最初のストロボに戻して撮影してみましょう。

カメラの設定は「3200K」ですが、ライトが「5500K」になります。

では、ハイチーズ!

カシャ!
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~

最初と同じライティングですが、今度は「青」が強調されてしまいました。


このように、「光の色」とカメラの「ホワイトバランス」が合っていないと写真の色が変わってしまうのです。




カメラの設定の仕方


と、ここまで説明をしてきましたが、今のデジタルカメラの「オートホワイトバランス」の精度はとても高いので、よほどでない限り、色を外す事は少ないです。

ということで、設定と言いつつ、普通は「オートホワイトバランス」を使ってください。


とは言え「写真」を撮っていると「よほどの事」は結構起こり、どうしても意図した色と食い違いう場合があります。


その場合は、思い切って「ホワイトバランス」を手動で設定してみましょう。



その時、基準となる「環境光の色温度」はだいたい以下の通りです。

● 晴天時の日陰 7000K 

● くもり空 6000K 

● 昼間の太陽 5500K 

● 昼白色の電灯(お店などの明るい照明) 5000K

● 白色の電灯(オフィスなどの照明) 4000K 

● 電球色の電灯(バーなどの照明)  3000K

● ロウソクなど炎 2000K


という感じです。



で、ここで疑問が出ると思うのが、「日陰」と「くもり空」の色温度の高さです。


「日陰」の青さは「空の青さ」です。

直接光である「太陽光」が遮られると、その場所には拡散した光があたります。

その拡散した光が「空の青い光」だからです。


「くもり空」が青いのは、「海の青さ」と同じ理由で、雲の成分である水蒸気が「赤い波長」を吸収するので青くなります。



これらの環境光の「色温度」に近いカメラの「ホワイトバランスの設定」を選ぶと、環境光とカメラのバランスが整い「白い物が白く」なります。



ただし、何でもかんでも、ホワイトバランスを整えれば良いとは限りません。


例えば、料理などは「暖色系」の方が美味しそうに見えます。
目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
これは「ホワイトバランス」としてはほぼ適正値です。

写真としては問題無いですが、料理としては少し冷たい感じがします(サラダなので冷たいですけど・・・)


目くるめくデジカメの世界⑧ ~色温度とホワイトバランス~
こちらは若干、暖色系に振った写真です。

こちらの方が、色味がさして料理としては「美味しそう」に見えます。



と、細かい話は色々ありますが、いま被写体に当たっている光の「色温度」が掴めれば、あとはフォトグラファーの意志で色味を調節する事が出来るのです。


照明の色温度と同じにすれば「白が白くなり」、高くすれば「暖色系」になり、低くすれば「寒色系」になります。

※環境光とカメラの相対関係なので、写真の色は色温度の逆になります。


そのポイントを押さえておけば、綺麗な色味の写真が撮れると思います。




【おまけ】


通常のデジタルカメラは「JPEG」などの画像データで保存されます。

その場合、撮影時にホワイトバランスを正確に整える必要がありますが「RAWデータ」というフォーマットで取り込むと、後から設定し直す事が出来ます。

実は、この「RAWデータ」の記事が8番目の予定の記事でした(笑)

写真を精密に作り上げるためには、やはりオートでは難しい部分があり、プロのフォトグラファーは「RAWデータ」で撮って、ホワイトバランスを整えていることが多いようです。

(実際のRAWデータの運用は、メリット、デメリットがあり、フォトグラファーごとの考え方、仕事の仕方によりますので一概には言えません。)





次の記事はこちら









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コメント
こんにちは。
わかりやすい説明で勉強になります。
はじめはRAWで画像編集しようかと思ってましたが、家族写真ばかりで
そこまで凝ることもないかな~と思い、JPEGオンリーです。
標準ズームレンズの絞り羽が壊れてしまって、今は単焦点レンズで撮ってます。
週末、CP+でも行って勉強してこようかと思ってます。

カメラネタ、全然アリと思いますのでこれからも楽しみにしてます。

T&MパパT&Mパパ
2017年02月23日 12:31
T&Mパパさん。こんにちは。
RAWの話は次回になりますが、絶対必要という訳ではないですよね。
沢山の写真を見たり、保存したりするには「JPEG」が最適です。

フォトエキスポ時代は、開催が「ビッグサイト」だったのでよく行ってましたが、CP+に変わり「パシフィコ横浜」で開催されるようになってからは足が遠のいています(遠いので・・)
最近は一般向けのセミナーやイベントが充実して、出展者数、来客数、ともに伸びてるみたいですね。

「目くるめく」はこれからも不定期更新で続けて行きますので、また遊びに来て下さい。

zero21keizero21kei
2017年02月23日 12:58
こんにちは~

ホワイトバランスの授業ありがとう御座います!
諸般の事情の一要因もしくは要因なのかな?!(汗)(笑)
出来の悪い生徒なんですよね~w、すいませんw。

ホワイトバランスで暖色系、寒色系ってのは知ってましたが
基準となる0ポイントを意識してなかったし、分からなかったのでなるほど~!
って感じです!。

0ポイント=環境光
今、目の前で飛んでいる光の色が0ポイントなんですね~

先生!、いつもの如く、そこで質問させて下さい!。
自分の写真は0ポイントからかなり暖色系へふってしまっている為、かなり黄色くなっている事が多々あります。
そこで暖色系に撮る場合、0ポイントからどのくらい上げるのがいいのでしょうか?
上げ過ぎた場合のデメリットなどもありますか?
あと、ホワイトバランスも何段とかあるんですか?
RGBについても。。。色々聞き過ぎですね。。。

すいません、m(_ _)m。。。

taku-ctaku-c
2017年02月23日 14:36
こんにちは

ストロボとタングステンの違いもよくわからないシロートなんですが(笑)とても興味のある記事だったのでためになりました。

画像を比べてみたんですがストロボ「5500K」ホワイトバランス「5500K」よりタングステン「3200K」ホワイトバランス「3200K」のほうが綺麗に見えます。

撮影用電球「タングステン」とかのパワーなんでしょうか?

シッポナシッポナ
2017年02月23日 14:42
諸般の事情のtaku-cさん。こんにちは(笑)

屋内の「オートホワイトバランス」での「物撮り」はデジカメがもっとも苦手とするシチュエーションです。
それはカメラが画面の中でグレーっぽいところを基準に計算して色を決めるからです。

試しにスマホのカメラで、青い封筒とか、茶色い封筒とかを、画面いっぱいになるようにしてみてください。画面が白くなりますよね(笑)

しかし、屋内は色々な色の光源があったり、色のある家具や壁紙からの反射光がったりと基準がとりにくいので色が極端に傾く場合があります。

と言うことを踏まえて「暖かな暖色照明の感じ」を出すなら、ニュートラルから+500Kくらいだと思います。
taku-cさんの家の照明は、電球色のようなので、3500Kあたりで試してみると良いと思います。
(オートやプリセットではなく、数値で設定してみて下さいね)

ホワイトバランスは、段ではなく、K(ケロビン)です。カメラにもよりますが100単位くらいで設定できると思います。
画質劣化などのデメリットは全くないので、ガンガン試してみてください。

zero21keizero21kei
2017年02月23日 15:35
シッポナさん。こんにちは。
するどいご質問ありがとうございます。

色温度とは別の話になりますが、「ストロボ」と「タングステン」は光の「質」が違います。
これは定常的な数値がある話ではないですが、ストロボの方が、光が直進的で「堅く」なり、「タングステンは」やや拡散気味なので「柔らかく」なります。

ただ、ストロボの方をトレペなどで拡散させれば、違うライトでも「全く同じ」に撮影できます。
実際、上のテストもそう言った技術を使って調節はしているんです。(写り方に違いがあるとそこをクローズアップされるので)

しかし、ご指摘のように「2枚の写真が違う」のは、ミニカーのような小さい被写体は、ライトを1cm動かすだけで雰囲気が変わります。
もっと精密に撮れば、2枚を重ねてやっと解る程度まで、「ストロボ」と「タングステン」でも同じ写真に出来ます。

つまり、一応プロとしてやっていますが「手抜きを見透かされた」ってことですね(笑)

zero21keizero21kei
2017年02月23日 15:53
いつも面白い話題、ありがとうございます。
環境光とカメラセッティングの関係、ちゃんと理解してなかったことに気づきました。

私は後から結構いじりたい方なのでRAWですが、デジタルだと画面見ながら調整できるので理解出来なくてもやりたいことが出来てしまっていた、ということですね。

ちなみに動画でもRAWがあります。
莫大なデータストレージが必要ですが(笑)
EgnathEgnath
2017年02月23日 19:58
Egnathさん。こんばんは。
RAWをいじるのであれば、理屈を知らなくても、見た目で合わせてしまうので問題ないですよね。

私がこの辺りをシビアに覚えたのは、ポジフィルムを扱っていたからです。
もう無いですけど、色温度計ありました。

動画のRAWって聞いただけでも恐ろしいですね。。。
zero21keizero21kei
2017年02月23日 20:29
再度の書き込みで申し訳ありません

>違うライトでも「全く同じ」に撮影できます。

最後は腕ってことですね、2枚目がきれいだったので「タングステン」を買えば自分でも上手く撮影できるんではないかと勘違いしてしまいました(笑)

丁寧に教えていただきありがとうございました、また寄らせていただきます。

シッポナシッポナ
2017年02月23日 20:31
なるほどー!!余り詳しく勉強してこなかった領域なので大変参考になりました。

現実の明かりと相対比較で考えるものなんですね。本来は白(グレー)を正しく再現する為の機能なんでしょうけど、その目的とは違った使い方をしてる人(自分を含む)が多い気がしますね。

5D3はオートで撮ると曇り空でWB外したり、構図の中に白い物があるか無いかで、大きくWB変わる時がありました。これが5D4で改善されているのか試してみたいですが、まだシャッターチャンスが来ません。

へりへり
2017年02月23日 20:50
スゴイ勉強になりました!

今まで単に、夕焼けやランタンなら暖色系に、夜空なら白色系に、、くらいしか考えてませんでした。しかもマニュアルでいじるわけでもなく、デフォルトにあるいくつかのパターンを使い分けてるだけでした。
本来は正常な色味にするための、環境光に合わせるためのものだったんですね!
ケルビンですね。今度ホワイトバランス、自分で触ってみます。
それにしても、1枚目の写真のグラデーションがすごいです。こんな風に黄色味と青味がある場合はどんな数値に合わせれば綺麗に撮れるのでしょうか?

naopionnaopion
2017年02月23日 22:57
シッポナさん。こんばんわ。
コメントありがとうございます。
「ライティング」は専門分野なので、色々やってて知っているだけです。
カメラの記事は続けていく予定なので、宜しかったらまた遊びにいらしてください。

zero21keizero21kei
2017年02月23日 23:05
へりさん。こんばんわ。
グレーバランスは解っているようで、解りにく分野です。理由は仰るように「絶対値」では無く、常に「相対的」な値になるからです。
白を「思っているだけ」というところがミソで、色味の味付けはフォトグラファーの「感じ方」に依存します。
ですので、へりさんの使い方が「写真の正解」だと思います。
フィルム時代に、色温度計とカラーフィルターでやっていたことをRAWでやっているだけだと思います。

zero21keizero21kei
2017年02月23日 23:16
naopionさん。こんばんわ。
百聞は一見に如かず、まずはどんどんホワイトバランを触ってみてください。
「写真」はここで言っているような「知識」で理解する部分と、何度も何度も繰り返して体で覚える「技術」によって成り立ちます。
頭で解っているだけだと撮れないんですよね、写真(笑)

最初の写真は、記事内でも言ってますが、今回の記事のイメージとして作った合成写真です。
1つの写真(RAWデータ)を2種類の色温度で「現像」してグラデーションで「合成」してます。

zero21keizero21kei
2017年02月23日 23:38

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