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目くるめくデジカメの世界㉕ ~写真にまつわる師匠の格言~

こんにちは。Kです。


すでに「ノーキャンプ」が2ヶ月続き、「キャンプ欠乏症」はもはや入院レベルです。

なにせ、街中を歩いていて「空き地」を見ると「あ、トルテュが張れる。。」と、ふと思うような日々を送っているほどです。

さらに、梅雨明けとなり都内は連日「夏日」となり、うだるような暑さです。

こうなってしまうと、ブログの記事も。


よりコアでドロドロとした内容


が書きたくなります。。。



ということで、今日は「目くるめくデジカメの世界」です。

25回目の今回は、直接的な「写真の話」ではなく、「写真を仕事としている人」の話です。



と言っても、私には「プロの仕事」を、あれこれ言えるほどの力は、恥ずかしながらありません。。。

ですので、ここは私の「師匠」に登場して頂きます。




師匠は、40年以上「コマーシャルフォト」を撮り続けているフォトグラファーです。(自分の作品を発表する写真家みたいな感じでは無いです)

しかも、そのキャリアは「フィルム」からスタートしたのに、それに固執せず、時代の流れを先取りして「デジタルカメラ」を真っ先に始められました。

そのため、現在でもデジタルカメラを使って第一線で活躍されています。



私は駆け出しの時に師匠に出会って以来、常に「写真の仕事」を教えて頂きました。


今日は、そんな師匠から頂いた、数々の「格言」を紹介して、キャンプを忘れて、とことん「写真の事」を考えてみたいと思います。

目くるめくデジカメの世界㉕ ~写真にまつわる師匠の格言~










目くるめくデジカメの世界㉕ ~写真にまつわる師匠の格言~


私が師匠に出会ったのは、今から20年前、デジタルカメラが「写真の現場」に入り始めた初期の時代でした。


じつは「師匠」と言っても、私は正式に弟子入り(アシスタントなど)をしたわけではありません。

当時から、師匠はスタジオを構えてたプロのフォトグラファーでしたが、私はその時「デジタルスタジオ」のオペレーターのような立場でした。

ただ、オペレーターと言いつつ、仕事上「写真を撮る」必要もありました。

しかし、大学を出たばかりで、写真の経験などほとんど無く、ホトホト困っているときに、師匠に出会ったのです。

そんなとき、最初に頂いたのが次の言葉でした。








① 僕が知っている写真の事なら、全て教えてあげるよ。


これは、ほぼ初対面のときに言われたました。


当時はまだまだ「技術は盗め」というような時代で、写真を他人に教えるという風習はあまり無かったと思います。


そんななか、師匠だけはこの言葉を私にかけてくれました。


ただ、これは師匠が「いい人」と言う話ではありません。

なぜかというと、当時、デジタルカメラを始めたばかりだった師匠は、「デジタルの技術を知りたい」というのがありました。

そこで、私が持っていた「Photoshop」や「Mac」を使った「デジタル技術」を教えて欲しいというのがあり、ある意味この言葉は「取引」のような話でした。


でも、当時の私は、学校を出たばかりのただのペーペーなので、聞く事が出来る「デジタルのこと」などたかが知れています。

にも関わらず、その取引に賭けるものが「写真のキャリアで築いた技術の全て」だとすれば、誰の目にも「対等の取引にはならない」のは明らかだと思います。


しかし、そんな事を構いもせずに言ってのける師匠には、自らの仕事に対する「強い自負」がありました。


といのは、この後に続く言葉があり、それが、

「僕がいくら教えても、僕は常にその先に行くし、教えて貰った事をやってるだけじゃ、脅かされるどころか、追いつかれもしないよ。」

でした。



威張ったり、その逆に謙ったりと、自分の「プライド」に囚われて、詰まらない話をする人は世の中に沢山います。

でも、仕事に対して、このようにストレートな「プライド」を示せる人は少ないと思いますし、単純にそれは「カッコいい」と思いました。










② 横着するな、カメラが動け!


これは、以前「画角」の所で使いましたが、写真を撮るときは、画角を決めてカメラが動くのが「鉄則」です。

本当に駆け出しの頃でしたが、カメラの位置に合わせて「レンズの焦点距離」を選んだら、ガッツリ怒られました(笑)







③ 撮る方法を悩むのは、撮ってない時じゃないとダメだよ。


これは、私がスタジオで、撮影のやり方で行き詰まっていたとき、たまたま師匠が遊びに来たので、「ライティングのやり方」を聞いていたら言われました。

あまり具体的に覚えてませんが、幼稚な質問だったのだと思います。


例えると、私の質問が「自動車教習所で習う内容」だったとすると、師匠が「教える」と言ってくれたのは、「サーキットでレースに勝つ方法」です。

そんな人に、「エンジンのかけ方」を聞いたら、「取説でも読め!」ですよね(笑)


とにかく、同じ「ライティングのやり方」で行き詰まるにしても、その内容が「基本的な事」では話にならないって事ですね。



ただ、これはあくまで、仕事に対する話なので、このブログで「写真やカメラの事」のご質問があれば、「取説でも読め!」とは言いませんので、お気軽にお尋ね下さい(笑)









④ 本当に良い写真を撮るなら、本当に良いものを知らないとならない。


師匠が教えてくれるのは、「写真の技術」と言うよりは、「撮る為の準備」や「心構え」の話が多いです。


私がやっている「スタジオ写真」の場合、ライティングを含めた「撮影の技術」はとても大切です。

先ほどの話と被りますが、ライティングの技術だと、「ストロボをどう使うと、被写体に入るハイライトはどう変わるのか?」と言う感じです。

そして、そういった「技術」は、基本的に「物理法則」でしかないので、何度も繰り返して覚えるしかありません。


そうやって「技術」が身について来て、カメラやライティングを自在に操れるようになると、「写真の世界」は次のステップに移ります。



それが何かというと。


目くるめくデジカメの世界㉕ ~写真にまつわる師匠の格言~
「この被写体はどのようなライティングをすると美しいのか?」


という「表現」に関わる疑問です。



これは、俗に言う「センス」という話と結びつく部分で、ここから先がある意味、プロの世界への第一歩と言えると思います。


師匠にとって、この「どう表現するか?」の答えは、常に「写真を撮る現場」では無く、「事前に用意するもの」のようです。

つまり、仕事のオファーを受けて撮影の現場に入るとき、フォトグラファーはすでにその被写体の一番よい姿を知っていないといけないって事です。


ちょっと難しそうな話ですが、具体的なアドバイスの例をあげるなら。


「一回で良いから、自腹を切って高級なレストランで10万円のコースを頼みなさい」

と言うのもありました。




なんでもお金で手に入る訳ではありませんが、「センス」と言って片づけられる話にも、ある程度、努力でカバーが出来る事は沢山あるようです。



基本を学び、血が滲むような努力して、その道の先にある「頂(いただき)」を目指したとき、どうしても詰め切れない「差」を見せつけられる時があります。

強いて言えば、私にとってそれが「センスの差」だと思っています。(あとはただの努力不足です)








⑤ 本当に写真の世界に入ると、カメラを持っていることも忘れる。


フォトグラファーが「カメラの存在を忘れる」とはどう言う境地なのでしょう?

さすがに、私はここに達したことはありません。

なんだろう、いわゆる「トランス状態」という事でしょうか?


ただ、言わんとしている事は分かるような気がします。


集中して物事にあたると、手に持った道具は体の一部になって、意識から道具の認識がなくなるのかもしれません。

どちらにしろ「カメラの操作」を意識していては、「写真は撮れない」って事なんだと思います。









⑥ フォトグラファーの仕事はレンズの外側にある。


これは、私がある程度キャリアを積んで、仕事として「写真」を扱えるようになった頃に言われました。


色々な意味にとれる言葉ですが、私にとっては「レンズ」を境にした「仕事」の区別が明確なって、「プロのフォトグラファーの仕事」がどう言うものか、ちょっとだけ理解できた言葉です。




「撮る写真をイメージして、それを具現化するためにありとあらゆる事を尽くす」


言ってしまえば、「写真を撮る」というプロセスはこれだけです。



でも、いざそれを実行しようとすると、色々な「壁」にぶつかります。

なぜなら、写真には被写体の状況だったり、天候だったりと、自分以外の色々な「ファクター」があるからです。


そして、それらのファクターのほとんどは、「レンズの外側」に存在します。(逆に「レンズの内側」は自分のコントロールが出来る唯一の世界です)


しかし、撮った「写真」の毀誉褒貶はフォトグラファーだけが負わねばなりません。(写真を撮ったのは自分なので)


だったら、レンズの外側と内側は、見ようによってはレンズを境にして「=(イコール)」で繋がっているし、「良い写真」を撮る為の仕事はむしろ「レンズの外側にどれだけ影響を与えられるか」だとも言えるのです。


コマーシャルフォトの現場は、クライアントがいて、デザイナーがいてと、「撮るべき写真」のキーパーソンが常に他にいます。

そういった中で、フォトグラファーは求められる「写真」を撮らなくてはなりません。(そして、それは凄い事でなく、出来て当たり前のことです)



「良い環境だったら良い仕事をして良い写真が撮れる」


そんな甘いことを言っていたら、「その程度のレベル」と切って捨てられる立場だと言えます。


ですので、フォトグラファーは写真の現場に入ると、色々なファクターに対して、「逆らわずに従って協調関係を築き、調和しながらイニシアティブを握っていく」という仕事をします。(まぁ、色々なやり方があるので、これは私の場合って感じですけど・・・)




でも、このような「写真のプロセス」を実行できるなら、それは「カメラで写真を撮る」という狭い範囲の話から飛び出して、「物事への対応の仕方(やり方)」になっていきます。

そして、この「やり方」は、まさに現場の経験に基づくものなので、言ってしまえば「写真以外」にも当てはまるのです。


こう考えると、私の「キャンプ」も、突き詰めれば「写真を撮る」という「やり方」を使っているのです。(話が難しくてスミマセン・・・)










⑦ レンズとワインは高ければ高いほど良い。


ワイン好きの師匠の格言の中では、身も蓋もない部類の話です(笑)

先ほど「仕事はレンズの外側にある」と言いながら、「良いレンズの方が良い」って話なので混乱しちゃいますね。。。


ただ、高額なレンズほど性能が良いのは間違い無い話でもあります。


「プロは良い写真を良いカメラじゃなくても撮れる」

という話と、

「プロは手に入れる事が出来る最高のカメラで写真を撮る」


この2つが、何の矛盾も無く、自分の仕事の意識として持てるようになると、プロフェッショナルといえるのかも知れません。。。









⑧ 写真のロジックは全部覚えて、全部忘れろ!


これも呑んだ勢いで聞いた話です。

ワインが入るといつもより饒舌になる師匠は、なにか禅問答のような事を口にします。

これが、酔っ払いの戯言か、写真の真理に近づくための言葉なのかは、今の私には見当も付きません。。。。








最後に。。。


目くるめくデジカメの世界㉕ ~写真にまつわる師匠の格言~
一般的に「師弟関係」というと、何か教えるべき「体系」がキチンとあって、それを弟子が一つずつ覚えていくようなプロセスを想像します。

しかし、私は師匠になにか写真のことを「手取り足取り教えて貰った」という経験はありません。

ですので、一般的な「師弟関係」とうのとはちょっと違うのかもしれませんね。


でも、師匠の仕事を拝見していると、いつも多くの事を学びます。



「師匠が目指す写真の世界」


いつもお会いするたびに、その仕事に対する目線の高さ、その姿勢を常に学んでいる気がしています。





一番最初に「正式な弟子ではない」と言いましたが、実はきちんと「外弟子認定」はして頂いているので、私が師匠の弟子であることは間違いではありません。


「師弟関係」というと古くさく聞こえるかも知れませんが、自分に「師匠がいる」というは、とても良いことだと思っています。















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コメント
こんにちは(・ω・)

>よりコアでドロドロとした内容
あれですね、落ち込んだ時に聞きたいのは『暗い日曜日』みたいな(違うかw)

いたちは職業カメラマンの知り合いは居ますが、フォトグラファーと呼べる方はおらず
同じ写真を生業にしている人種でも、写真への捉え方は違うものですね
Kさんの師匠さんはいわゆる「職人気質」ではなく、柔軟な思考の持ち主だったようで
お話を聞く限り、これが今のKさんの雰囲気に受け継がれているように感じます
Kさんも写真に関してのアドバイスは、気兼ねなく教えてくれますもんね(*´ω` *)タスカリマス

師匠さんの格言、なるほどと思えます(後半は、いたちには酒席の茶化しと聞こえてしまいますがw)
ひとつ確かなことは、Kさんはとっても素敵な師匠さんに出会えたんだなぁと言うことです

いたちいたち
2018年07月04日 14:24
こんにちは。

どれもこれも、写真だけの世界だけでない含蓄がありますね。全く違う業種ですが、自分の仕事に置き換えて考えちゃいました。

⑧は守破離のことですかね〜うーんもっと深いのか、酔っ払ってるのか(笑)

EgnathEgnath
2018年07月04日 21:33
う〜ん、いいですね。
何がいいって、口にしたことを格言として捉えて
こんなに覚えていてくれる人がいるということです。

私もキャンプ格言集を書いたりしましたが、
誰か覚えているのか〜?(自分も忘れている可能性大(爆))

しくしく
2018年07月04日 21:51
こんばんは~

自分のカメラの師匠はKさんですかねw。
Kさんに聞いて、カメラを弄り出したので。
あ、押しかけ弟子でしたね(笑)

「写真の世界」の次のステップ行きたいなぁw。
頑張って「技術」を身につけねば。。。

taku-ctaku-c
2018年07月05日 01:31
いたちさん。こんにちは。

さすがに「暗い日曜日」ほど追い込まれていませんが、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のレベルには達しているかもしれません。

職人気質が、「昔の事にしがみつく頑固者」という意味なら当てはまらないですね。
柔軟な思考かは解りませんが、「自分は写真の技術者だ」という方です。

後半の⑦⑧は、意外と技術の話の本質に近い所だと思いますよ。

zero21keizero21kei
2018年07月05日 11:16
Egnathさん。こんにちは。

今回は、表側のテクニックの話では無く、仕事のディープな部分を記事にしました。
師匠に登場して貰ったのは、論語に習って「子曰く」の方が伝わるかな?っと思って書きました。

⑧は守破離かな? 師匠言われるのは「考えて写真を撮るな」と「撮った写真は全て説明しろ」です(笑)
最初は凄い矛盾だと思ってたのですが、今は全くその通りだと思ってます。

zero21keizero21kei
2018年07月05日 11:31
しくさん。こんにちは。

「師は、弟子が答えを見出したその時に答えを与える」らしいので、それでよく覚えてるのかもしれないですね。

確かにしく先生も多くの格言を残されてます。
私は「少人数ファミリーキャンプ」に入門してまだ1年ちょっとの若輩ですが、色々心に刻んでいますよ。
えっと例えば「絶対に懐かない番犬、それがオム犬」とか?

zero21keizero21kei
2018年07月05日 11:51
taku-cさん。こんにちは。

師匠と呼ばれるほどの事はしていませんが、taku-cさんとの最初のコメのやりとりはカメラでしたね。
写真を一杯撮れば、いつの間にか次のステップの話は始まりますよ。

zero21keizero21kei
2018年07月05日 11:54
こんばんは

ナチュログの皆さんの写真が綺麗で。ちゃんとしたカメラ欲しいな~と思ってました。
そしたら娘が先に自分で買ってました((T_T)) キャンプ時に、借りて勉強してみます。

師匠さんのお言葉。娘にも勉強になると思いますので参考にさせて頂きますね

干物 >゜)))彡干物 >゜)))彡
2018年07月12日 01:12
干物さん。こんにちは。

目くるめくシリーズは、写真の事をよりディープに難しく書いているので、ご参考になるかどうか・・。

師匠は写真の善し悪しの判断に「感性」とか「好み」という判断基準をいったん退けます。
「良いものは良い」というスタイルですね。

ただ、写真の評価は「蓼食う虫も好き好き」と言うように、やはり万人にそれぞれ違った見方があります。
「良いものは良い」というのは、「蓼はあくまでも蓼だ」と言う話なんです。

zero21keizero21kei
2018年07月12日 12:03

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