写真 「レジェンド・オブ・デジカメ ① ~神話から現代へ~」全7回
Aug 22 , 2016
こんにちは。Kです。
私がフォトグラファーとして仕事を始めたとき、写真の世界はフィルムからデジタルへの大転換期でした。
90年代後半から2000年代前半にかけて、デジタル化に対応できない、ベテランカメラマンが次々と脱落していったのを今でも覚えています。
なぜ、確かな技術を持つカメラマンたちが時代の流れに対応できなかったのか?
そんな疑問から、その時代の流れを纏めた記事を、今から7年ほど前に仲間内のコミュニティーサイトで書きました。
今回はその全7回の記事を多少手直して再掲載してみます。
(まあ、キャンプ全く関係ないですけど・・・)
目まぐるしく発展し、フィルムという過去の技術を駆逐していくデジカメの歴史を1ユーザーの目から見た歴史です。
おもに、1995年のコンデジから始まり、プロのカメラマンが使うハイエンドモデルと言われる「一眼レフデジカメ」の開発競争を経て現在(2009年頃)に至るまでの記事です。
まずはその黎明期です。
基本的な文体は当時書いた時のママなので、読みにくい点などあると思いますが、ご容赦ください。
昔から、物事は「歴史から学べ」と言います。
おそらくこの格言は「カメラ」についても有効な筈ですので、ここでしばらく「デジタルカメラ」の歴史を追ってみたいと思います。
まず、歴史というと「最古のデジカメ」についてです。
しかしこの分野は「考古学」の世界のお話ですし、何をもって「デジタルカメラ」とするかによって意見が分かれてしまいます。
ただ、昨今のデジカメの性能を考えれば100年や200年で出来上がる筈もなく、おそらくの技術的なものは「ルネッサンス」の頃に確立したと思います(あくまで予想です)
こういった長い歴史の積み重ねを経たデジカメの技術の先に、現在の「デジカメ」の直系の先祖が現れます。
それが1995年に発売されたカシオの「QV-10」です。
(※NHKのプロジェクトXに取り上げられたカメラです)
「QV-10」は、ほぼ初めての一般用といえるカメラ、つまり「コンデジ」の元祖です。
性能的には25万画素のCCDセンサーを搭載(※iPhone6sは1200万画素「約50倍」あります)、320×240ドットデータを、2MB(GBではないですよ)の内蔵のメモリーに100枚ほどの画像を取り込むタイプでした。
基本的にこの当時の「デジカメ」は、同じころに普及しだした「Windows95」のパソコンと連動して使う「画像入力装置」でした。
というのも、そもそも「写真画質」をPCからプリントする「カラープリンター」がまだ普及していなかったので、画像はおもにPCの画面上で扱うだけです。
(さらにインターネットなど全く普及しておらず、最先端の人々がアナログの電話線を利用したパソコン通信をほそぼそとやっている時代です。ほとんどのPCユーザーは写真をPCの中だけで使っていたと言う、今からは全く想像が出来ない時代の話です)
その規模であれば25万画素で十分で、おそらく「カメラ」として認識されていたかも微妙な時代でした。
ただ、PCユーザーを中心にいわゆる「デジタルカメラ市場」を形成する契機となり、その後のデジタルカメラ発展の基礎となった機種でした。
「QV-10」を契機として、95年から97年くらいの間は、画素数は25万画素~35万画素のデジタルカメラが各メーカーから試行錯誤の機種がいろいろ出てきます。
そして、この出来たばかりのデジタルカメラ市場の方向性を決める、ある衝撃的なカメラが97年9月に登場します。
いわゆる「メガピクセル」という100万画素を超える機種です。
先鞭をつけたのはオリンパスの「CAMEDIA C-1400」でした。
この機種が140万画素という圧倒的な画素数(対25万画素比)を誇り、価格も10万円ほどと(当時のデジカメは高級品だったのです)他の機種とそれほど遜色がありませんでした。
そして、この機種が衝撃的だったのは「L判サイズ」で綺麗にプリントが可能だという事でした。
(※L判サイズというのは俗に言う「写真」のサイズです。昔の家にあるアルバムの写真のサイズのことです)
しかも、この時期になると、PCも「Windows98」の発売前後で、PC用のプリンターとしてEPSONのカラリオシリーズなど、インクジェット式の安価で綺麗なプリンターが普及し始めたころです。
ここにきて、デジカメはPCへの「入力装置」から「写真がプリントできるカメラ」としての存在感を増していきます。
この「メガピクセル」を契機にして、フィルムの独断場であったカメラの市場にデジタルカメラが驚異として登場していきます。
まさに「デジカメ→PC→プリンター」という最初の「勝利の方程式」がここで完成したのです。
どちらにしろ、それ以前の「パソコンの画像入力装置」というデジカメは一気に旧式化してしまいます。
この「メガピクセル」という機種は各メーカーにとっても衝撃だったらしく、「デジタルカメラ業界」ここから「画素数戦争」というまさに不毛とも言うべき、泥沼の戦いに突入していくのです。
つづく
(この記事は週間で毎週月曜日に更新していきたいと思います。)
続きの記事はこちら
私がフォトグラファーとして仕事を始めたとき、写真の世界はフィルムからデジタルへの大転換期でした。
90年代後半から2000年代前半にかけて、デジタル化に対応できない、ベテランカメラマンが次々と脱落していったのを今でも覚えています。
なぜ、確かな技術を持つカメラマンたちが時代の流れに対応できなかったのか?
そんな疑問から、その時代の流れを纏めた記事を、今から7年ほど前に仲間内のコミュニティーサイトで書きました。
今回はその全7回の記事を多少手直して再掲載してみます。
(まあ、キャンプ全く関係ないですけど・・・)
目まぐるしく発展し、フィルムという過去の技術を駆逐していくデジカメの歴史を1ユーザーの目から見た歴史です。
おもに、1995年のコンデジから始まり、プロのカメラマンが使うハイエンドモデルと言われる「一眼レフデジカメ」の開発競争を経て現在(2009年頃)に至るまでの記事です。
まずはその黎明期です。
基本的な文体は当時書いた時のママなので、読みにくい点などあると思いますが、ご容赦ください。
第1回「レジェンド・オブ・デジカメ ~神話から現代へ~」
昔から、物事は「歴史から学べ」と言います。
おそらくこの格言は「カメラ」についても有効な筈ですので、ここでしばらく「デジタルカメラ」の歴史を追ってみたいと思います。
まず、歴史というと「最古のデジカメ」についてです。
しかしこの分野は「考古学」の世界のお話ですし、何をもって「デジタルカメラ」とするかによって意見が分かれてしまいます。
ただ、昨今のデジカメの性能を考えれば100年や200年で出来上がる筈もなく、おそらくの技術的なものは「ルネッサンス」の頃に確立したと思います(あくまで予想です)
こういった長い歴史の積み重ねを経たデジカメの技術の先に、現在の「デジカメ」の直系の先祖が現れます。
それが1995年に発売されたカシオの「QV-10」です。
(※NHKのプロジェクトXに取り上げられたカメラです)
「QV-10」は、ほぼ初めての一般用といえるカメラ、つまり「コンデジ」の元祖です。
性能的には25万画素のCCDセンサーを搭載(※iPhone6sは1200万画素「約50倍」あります)、320×240ドットデータを、2MB(GBではないですよ)の内蔵のメモリーに100枚ほどの画像を取り込むタイプでした。
基本的にこの当時の「デジカメ」は、同じころに普及しだした「Windows95」のパソコンと連動して使う「画像入力装置」でした。
というのも、そもそも「写真画質」をPCからプリントする「カラープリンター」がまだ普及していなかったので、画像はおもにPCの画面上で扱うだけです。
(さらにインターネットなど全く普及しておらず、最先端の人々がアナログの電話線を利用したパソコン通信をほそぼそとやっている時代です。ほとんどのPCユーザーは写真をPCの中だけで使っていたと言う、今からは全く想像が出来ない時代の話です)
その規模であれば25万画素で十分で、おそらく「カメラ」として認識されていたかも微妙な時代でした。
ただ、PCユーザーを中心にいわゆる「デジタルカメラ市場」を形成する契機となり、その後のデジタルカメラ発展の基礎となった機種でした。
「QV-10」を契機として、95年から97年くらいの間は、画素数は25万画素~35万画素のデジタルカメラが各メーカーから試行錯誤の機種がいろいろ出てきます。
そして、この出来たばかりのデジタルカメラ市場の方向性を決める、ある衝撃的なカメラが97年9月に登場します。
いわゆる「メガピクセル」という100万画素を超える機種です。
先鞭をつけたのはオリンパスの「CAMEDIA C-1400」でした。
この機種が140万画素という圧倒的な画素数(対25万画素比)を誇り、価格も10万円ほどと(当時のデジカメは高級品だったのです)他の機種とそれほど遜色がありませんでした。
そして、この機種が衝撃的だったのは「L判サイズ」で綺麗にプリントが可能だという事でした。
(※L判サイズというのは俗に言う「写真」のサイズです。昔の家にあるアルバムの写真のサイズのことです)
しかも、この時期になると、PCも「Windows98」の発売前後で、PC用のプリンターとしてEPSONのカラリオシリーズなど、インクジェット式の安価で綺麗なプリンターが普及し始めたころです。
ここにきて、デジカメはPCへの「入力装置」から「写真がプリントできるカメラ」としての存在感を増していきます。
この「メガピクセル」を契機にして、フィルムの独断場であったカメラの市場にデジタルカメラが驚異として登場していきます。
まさに「デジカメ→PC→プリンター」という最初の「勝利の方程式」がここで完成したのです。
どちらにしろ、それ以前の「パソコンの画像入力装置」というデジカメは一気に旧式化してしまいます。
この「メガピクセル」という機種は各メーカーにとっても衝撃だったらしく、「デジタルカメラ業界」ここから「画素数戦争」というまさに不毛とも言うべき、泥沼の戦いに突入していくのです。
つづく
(この記事は週間で毎週月曜日に更新していきたいと思います。)
続きの記事はこちら
2016/08/29
コメント
私が最初に買ったデジカメがQVー10でした。
秋葉原のジャンク屋のワゴンセールで内装の段ボール箱に入って店先に山積みされていました。
パソコンとの接続は今ではほとんど見かけなくなったD-Sub 9pin。
同梱のリンクソフト QVーLINK を使って取り込むのですが、ソフトの媒体がこれまた
今では全く見かけなくなった3.5インチFDD。
当時の画質からはその後街中の写真店が駆逐されてしまうことなど想像もできないほどの代物
でした。
秋葉原のジャンク屋のワゴンセールで内装の段ボール箱に入って店先に山積みされていました。
パソコンとの接続は今ではほとんど見かけなくなったD-Sub 9pin。
同梱のリンクソフト QVーLINK を使って取り込むのですが、ソフトの媒体がこれまた
今では全く見かけなくなった3.5インチFDD。
当時の画質からはその後街中の写真店が駆逐されてしまうことなど想像もできないほどの代物
でした。
初期のデジカメは今では想像できないくらいチープでした。
あれから20年、デジカメの進歩は本当に想像を絶してますね。
あれから20年、デジカメの進歩は本当に想像を絶してますね。