琥珀色の麦酒の輝き ② ~歴史探索、ビールの運命を決める2つの発見~
こんにちは、Kです。
寒い日が続く中、唐突に「ビールの歴史」の2回目を始めます。
前回は古代のビールがメソポタミア、エジプトから「ヨーロッパ」へ渡ったところまでお話しました。
前回の記事はこちら
そのビールはヨーロッパで発展をしていきます。
そして、8世紀と15世紀にドイツの一つの地方で「2つの発見」がありました。
今回はその「ビール」の形を決定づけた「発見」を追って行きます。

●ひとつ目の発見。毬花(ホップ)との運命の出会い。
数千年の歴史を持つビールですが、当初の原料は「麦芽」と「ハーブ」などで、おそらく今のビールとはだいぶ違う味の飲み物だったようです。
現在のビールに欠かせない要素は「苦み」です。
その独特の「苦み」を出すのが現在のビールの大事な原料である「毬花(ホップ)」です。

※Wikipediaより
では、「ホップ」はいつ頃からビールに入れられるようになったのでしょう?
「ホップ」自体は紀元前の「メソポタミア」でも使われていて、エジプトなどでも「薬用」に用いられていたようです。
それが、ビールに使われるようになったのは8世紀頃のドイツ「バイエルン地方」だと言われています。
おそらく最初は味付けとしてよりも、ホップのもつ「殺菌作用」が評価されたようです。
ビールはアルコール度数が比較的低い飲み物なので、保存状態によっては「腐敗」してしまいます。
しかし、原料にホップを入れることで雑菌の繁殖を抑え、日持ちがするようになります。
「冷蔵保存」などの方法が無い時代、この殺菌作用はビールの貯蔵という点で大きな利点でした。
このため、ドイツやヨーロッパ大陸では「ビール」にホップを入れる事が、どんどん広まっていきました。
おそらくその課程で、「苦み」や「香り」を改良していきます。
そして「ビール」はこの時を境に、現代のビールに欠かせない、あの「苦み」と「香り」を手に入れたのです。
●二つ目の発見。
15世紀に入ると、またしても、ドイツの「バイエルン地方」で大きな発見がされます。
それが「ラガービール」の発見です。
この「ラガービール」とはキリンの「ラガー」のような商品名ではなく、「ビールの種類」の事です。
実はビール。
ワインに「赤ワイン」と「白ワイン」
ウィスキーに「バーボン」と「スコッチ」
というように、大きな括りでの「種類」があるように、ビールにも2つの種類があります。
それが、「ラガー」と「エール」です。
これは「酵母菌」の違いによって分かれます。
別の記事で詳しく説明する予定ですが、2つの酵母で造るビールは「味」もそうですが、その製法も違います。
15世紀、まだ、ビールの製造に「酵母菌」が作用していると知られていない時代、「ラガービール」の発見は偶然でした。
「通常夏から秋に造るビールを晩秋から冬を越して春にかけて作ると全く違った味で美味しかった。」
という事が発見の理由だったようです。
しかし、その偶然で見つかった「ラガービール」の最大の特徴は「スッキリとした味わい」です。
「ラガー」は現在の多くのビールが採用してるビールです。
というより、日本の大手5社の主要銘柄(発泡酒を含む)は全て「ラガービール」です。
ですので、日本人が持つ、「ごくごく飲む喉ごし!!」というビールのイメージは、実は「ラガービール」の特徴だったのです。
こうして、現在のビールを構成する「役者」が揃ったのが15世紀のドイツでした。
この後、ドイツでは「ラガービール」が、海を挟んだイギリスでは伝統の「エールビール」が、それぞれの地域で発展して今に至ります。
次回は、15世紀以降の2つの地域での「ビールの発展」の歴史を追ってみます。
寒い日が続く中、唐突に「ビールの歴史」の2回目を始めます。
前回は古代のビールがメソポタミア、エジプトから「ヨーロッパ」へ渡ったところまでお話しました。
前回の記事はこちら
2017/01/10
そのビールはヨーロッパで発展をしていきます。
そして、8世紀と15世紀にドイツの一つの地方で「2つの発見」がありました。
今回はその「ビール」の形を決定づけた「発見」を追って行きます。

●ひとつ目の発見。毬花(ホップ)との運命の出会い。
数千年の歴史を持つビールですが、当初の原料は「麦芽」と「ハーブ」などで、おそらく今のビールとはだいぶ違う味の飲み物だったようです。
現在のビールに欠かせない要素は「苦み」です。
その独特の「苦み」を出すのが現在のビールの大事な原料である「毬花(ホップ)」です。

※Wikipediaより
では、「ホップ」はいつ頃からビールに入れられるようになったのでしょう?
「ホップ」自体は紀元前の「メソポタミア」でも使われていて、エジプトなどでも「薬用」に用いられていたようです。
それが、ビールに使われるようになったのは8世紀頃のドイツ「バイエルン地方」だと言われています。
おそらく最初は味付けとしてよりも、ホップのもつ「殺菌作用」が評価されたようです。
ビールはアルコール度数が比較的低い飲み物なので、保存状態によっては「腐敗」してしまいます。
しかし、原料にホップを入れることで雑菌の繁殖を抑え、日持ちがするようになります。
「冷蔵保存」などの方法が無い時代、この殺菌作用はビールの貯蔵という点で大きな利点でした。
このため、ドイツやヨーロッパ大陸では「ビール」にホップを入れる事が、どんどん広まっていきました。
おそらくその課程で、「苦み」や「香り」を改良していきます。
そして「ビール」はこの時を境に、現代のビールに欠かせない、あの「苦み」と「香り」を手に入れたのです。
●二つ目の発見。
15世紀に入ると、またしても、ドイツの「バイエルン地方」で大きな発見がされます。
それが「ラガービール」の発見です。
この「ラガービール」とはキリンの「ラガー」のような商品名ではなく、「ビールの種類」の事です。
実はビール。
ワインに「赤ワイン」と「白ワイン」
ウィスキーに「バーボン」と「スコッチ」
というように、大きな括りでの「種類」があるように、ビールにも2つの種類があります。
それが、「ラガー」と「エール」です。
これは「酵母菌」の違いによって分かれます。
別の記事で詳しく説明する予定ですが、2つの酵母で造るビールは「味」もそうですが、その製法も違います。
15世紀、まだ、ビールの製造に「酵母菌」が作用していると知られていない時代、「ラガービール」の発見は偶然でした。
「通常夏から秋に造るビールを晩秋から冬を越して春にかけて作ると全く違った味で美味しかった。」
という事が発見の理由だったようです。
しかし、その偶然で見つかった「ラガービール」の最大の特徴は「スッキリとした味わい」です。
「ラガー」は現在の多くのビールが採用してるビールです。
というより、日本の大手5社の主要銘柄(発泡酒を含む)は全て「ラガービール」です。
ですので、日本人が持つ、「ごくごく飲む喉ごし!!」というビールのイメージは、実は「ラガービール」の特徴だったのです。
こうして、現在のビールを構成する「役者」が揃ったのが15世紀のドイツでした。
この後、ドイツでは「ラガービール」が、海を挟んだイギリスでは伝統の「エールビール」が、それぞれの地域で発展して今に至ります。
次回は、15世紀以降の2つの地域での「ビールの発展」の歴史を追ってみます。
コメント
こんばんは~
エールビールなんて知らなかったです(笑)
ビールにも色々なんですね。
自分の知っているのはラガーかドライか(笑)
色々知ってから飲むとまた違った味わい方が出来そうです。
ホップって麦の中の成分かと思ってましたw。
エールビールなんて知らなかったです(笑)
ビールにも色々なんですね。
自分の知っているのはラガーかドライか(笑)
色々知ってから飲むとまた違った味わい方が出来そうです。
ホップって麦の中の成分かと思ってましたw。
おはようございます。
ラガーもエールもその他雑酒もいける口ですが、寒くなってくると、ひれ酒が無性に飲みたくなります(笑)
Kさんは真冬でもビール派ですか?
薪ストの横で飲むビールはうまいだろうなぁ。
ラガーもエールもその他雑酒もいける口ですが、寒くなってくると、ひれ酒が無性に飲みたくなります(笑)
Kさんは真冬でもビール派ですか?
薪ストの横で飲むビールはうまいだろうなぁ。
taku-cさん。おはようございます。
ビールの種類は恐ろしく膨大にあって、おそらく数千はあります。しかもそれ、銘柄じゃないですよ。(大手のビールはせいぜい5種類くらいです)
書き始めて気がつきましたが、歴史の話ばかりで、まだ「ビール」の話をしてないですね(笑)
ビールの種類は恐ろしく膨大にあって、おそらく数千はあります。しかもそれ、銘柄じゃないですよ。(大手のビールはせいぜい5種類くらいです)
書き始めて気がつきましたが、歴史の話ばかりで、まだ「ビール」の話をしてないですね(笑)
Egnathさん。おはようございます。
ひれ酒も大好きですが、冬でもビールは欠かせないです。
薪ストーブの隣で飲むビールは、どっしりとコクがあって、ボディのしっかりしたビールがいいです。
トラピストの「シメイ」とか、「バーレーワイン」なんか最高ですね〜。
ひれ酒も大好きですが、冬でもビールは欠かせないです。
薪ストーブの隣で飲むビールは、どっしりとコクがあって、ボディのしっかりしたビールがいいです。
トラピストの「シメイ」とか、「バーレーワイン」なんか最高ですね〜。